作品紹介
ディオールのオートクチュール部門のアトリエ責任者であるエステルは、次のコレクションを終えたら退職する。準備に追われていたある朝、地下鉄で若い娘にハンドバッグをひったくられてしまう。
犯人は郊外の団地から遠征してきたジャド。警察に突き出してもよかった。しかし、滑らかに動く指にドレスを縫い上げる才能を直感したエステルは、ジャドを見習いとしてアトリエに迎え入れる。
時に反発しながらも、時に母娘のように、そして親友のように美の真髄を追い求め濃密な時間を過ごす二人だったが、ある朝エステルが倒れてしまう…。最後のショーは一週間後に迫っていた――。